日東河川工業株式会社

製品情報

ダム設備 - 洪水吐設備

洪水吐設備

一般にはダムへ洪水が入ってくるとき、ダムの保安のために設けられた洪水時に使用する放流設備の総称ですが、洪水調整を目的に含むダムでは、洪水調節時に下流河川が流下可能な数量を調節放流するために用いる設備をいいます。
昭和40年代迄のダムでは「余水吐き」ともいわれていました。

非常用洪水吐設備

洪水吐きのうち、ダム設計洪水流量の放流を目的として設けられる放流設備です。洪水調節を行うために設置される常用洪水吐きに対する用語で、常用洪水吐きの放流可能量とダム設計洪水流量の差を放流するために設けられ、一般にコンクリートダムでは堤体上部などに洪水をあふれさせる越流式として作られます。

クレストゲート
クレストとは、一般的に山頂、頂上の意味ですが、ダムでは水を流すための越流頂をクレストといい、さらに越流頂に機械式水門(ゲート)が取り付けられているとき、その水門をクレストゲートといいます。異常洪水時にダム天端から越流を防ぐための非常用ゲートとして使用されます。

常用洪水吐設備

洪水吐きのうち、主として洪水調節に用いるものをいいます。ダム設計洪水流量の放流を目的として設けられる非常用洪水吐きに対する用語で、一般にはオリフィスや高圧放流管の管路式放流設備が用いられます。
洪水調節を目的に含むダムでは、洪水調節時に下流河川が流下可能な水量を調節放流するために用いる設備をいいます。

本河内低部ダム

本河内低部ダムは、既設堤体上流面に新設堤体を貼り付ける構造であるとともに、洪水吐きは堅坑及びトンネルで構成されており、特殊性の高い構造をしたダムです。また、既設堤体は築造後100年を経過した貴重な土木遺産であり、歴史的的ダム保全事業に指定された歴史的価値から見ても重要度の高いものです。
取水放流設備・試験湛水用ゲート・排気ボックスの機械設備工事を行い、その内、試験湛水用ゲートが設置されている常用洪水吐設備は、円すい形状の吞口堅坑で排水時には2箇所の吞口から越流し円すい壁で渦を巻きながら排水する全国でも珍しい形状をしています。
また、近隣に住宅地があるため、落水音対策として越流水落下地点に1.5mの溜り水(プール)を造り落水音をかき消す水クッションを設けた設備です。

本河内低部ダム